2、視覚障害者の数と視覚障害の程度と等級





(1)視覚障害者の数


平成18年度身体障害者実態調査(厚生労働省)によれば、全国の18歳以上の、身体障害者(在宅)の総数は348万3千人と推計されています。
その内訳は視覚障害者、31万人、聴覚・言語障害者、34万3千人、肢体不自由者、176万人、内部障害者107万人で、その半数が肢体不自由者となっています。
身体障害者全体に占める65歳以上の割合は63.5%、視覚障害者の場合は、60.0%がそれに当たります。
また、障害を等級別にみると、視覚障害者のうちの、19万2千人(62%)が、1・2級の重度障害者です。さらに視覚障害に他の障害を併せ持った重複障害者は、視覚障害+肢体不自由3万2千人(10.3%)、視覚障害+聴覚障害、2万2千人(7.1%)、視覚障害+内部障害、1万5千人(4.8%)と報告されています。

視覚障害者の数は年々減少傾向にあるといわれている一方で、このように、高齢化、重度化、重複化の動きが顕著にみられます。

参考URL視覚障害者児の実態
(平成18年度身体障害児・者実態調査より)
http://www.yoihari.net/guidehelp/ens.htm


(2)視覚障害の程度と等級


視覚障害の程度と身体障害者福祉法による等級は、下記に示した「身体障害者障害程度等級表」のようになります。
これに該当する人が、視覚障害者と判定された上で、身体障害者手帳の交付を受けることになります。
国や地方自治体によるすべての福祉的措置を受けるためには、この手帳を持つ必要があります。
1〜6級のうち、1・2級が重度視覚障害者とされ、3級以上とは違った措置が受けられます。
また、視力だけでなく、視野が狭いことも、視覚障害の等級に含まれます。
視覚障害では、色がよくわからない、暗い所では見えない、正面だけしか見えない、その反対に外側が見えるなど、さまざまな状態があり、数字だけではわからないことがしばしばあります。
さらに、見えなくなった時期、見えなくなるまでの経過(期間)、障害の原因など、著しい個人差があります。

(3)身体障害者障害程度等級表(視覚障害)


1級
 視力の良い方の眼の視力(万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のある者については、矯正視力について測ったものをいう。以下同じ。)が 0.01以下のもの。
2級
 @視力の良い方の眼の視力が 0.02以上 0.03以下のもの。
 A視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの。
3級
 @視力の良い方の眼の視力が 0.04以上0.07以下のもの( 2級の Aに該当するものを除く。)
 A視力の良い方の眼の視力が 0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの。
4級
 @視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの(3級のAに該当するものを除く。)
5級
 @視力の良い方の眼の視力が0.2かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの。
6級
 視力の良い方の眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの。

●視野障害
1.ゴールドマン型視野計の場合
 周辺視野角度8方向の総和が左右眼それぞれ80度以下でかつ中心視野角度が以下の場合それぞれの等級と判定する。
 2級  28度以下
 3級 56度以下
 4級 57度以上

2.自動視野計の場合
 両眼開放エスターマンテスト視認点数が70点以下でかつ 10-2プログラム両眼中心視野視認点数が以下の場合それぞれの等級と判定する。
 2級 20点以下
 3級 40点以下
 4級 41点以上

(備考)

国民年金の障害基礎年金1級は、本表の1・2級、同2級は、本表の3級、
JRなどの運賃割引の1種障害とは、4級の1以下に該当します。その他、制度によって等級が変わることがあるため、注意が必要です。

引用文献
『視覚障害者の介護技術(改訂新版)−介護福祉士のために−』
監修・直居鉄
発行・YNT企画 2002/11/22

                      ライター  菊池 一郎

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