11、視覚障害者のスポーツ



視覚障害者も、晴眼者と同じように色々なスポーツを楽しんでいます。
ボールを転がしたり、音の鳴るボールを使うといった工夫で、野球をはじめ、卓球、バレーボール、テニス、サッカーなどの、球技を行っています。
また、伴走者と共に走る陸上競技や水泳なども、盛んに行われており、冬のスポーツのスキーも、タイミングや方向などのアドバイスを受けながら、楽しンでいる方もおります。
パラリンピックでは、陸上競技をはじめ、競泳、柔道、自転車、ゴールボール、サッカー、セーリング、スキーなどの協議に視覚障害者が出場しています。

(1)グランドソフトボール



視覚障害者が行う野球競技のことで、以前は盲人野球と呼ばれていました。
 グランドソフトボールの起源は明らかになっていませんが、世界盲人百科事典によると、1933年(昭和8年)、横浜公園運動場で、第9回全国盲学校学生競技大会が開催され、この大会で初めて、東京盲学校と横浜訓盲院との盲人野球試合が行われた記録があります。

1951年大阪府立盲学校で、第1回全国盲学校野球大会が開催され、その後1966年まで続けられました。
中断の後、1997年31年ぶりに第12回の大会が、京都府立盲学校の主管で復活し以後毎年開催され、2013年には、第28回大会が石川県で開かれています。

日本盲人会連合では、1971年より全国盲社会人野球大会を開催し、1973年の、第9回全国身体障害者スポーツ大会から「盲人野球競技」として組み込まれました。
その後1994年に「グランドソフトボール」と改称されて、競技を続けています。

 1998年には、「全日本グランドソフトボール連盟」が結成され、翌々年の、2000年に第1回全日本グランドソフトボール選手権大会が、連盟主催で開催され、以後毎年大会を開催しています。

基本となるルールや競技場の広さは、一般のソフトボールと同じですが、視覚障害者がプレーしやすいよう、いくつかの特徴があります。
@1チームは10名で構成され、そのうち全盲者(まったく見えない人)が4人以上いなければなりません。
Aポジションは一般の野球やソフトボールと同じ9カ所の他、ライトショートと呼ばれる守備位置があります。
B攻撃側選手と守備側選手の交錯を避けるために、通常のベースの外側にもう一つのベースがあり、通常ベースを守備用とし、外側ベースが走塁用になります。
守備塁間は18m、走塁塁間は22mで、走塁ベースには、走者の誘導を行うためのコーチャーを配置しています。
Cボールはハンドボールに似たもの(鈴は入っていない)を使用し、投手は全盲者が行い、弱視の捕手の手ばたきの合図を聞き、12mの投球距離を転がし投球をします。その投球を打者が一般のバットで打ちます。
D全盲野手が直接捕球したボールは、ゴロでもフライ捕球扱いとなり、アウトになります。
E試合停止圏というエリアがあり、マウンドの半径1.5mの円内に送球されたときは試合停止(ボールデッド)となります。
グランドソフトボール - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=cqujD5001aY

全日本グランドソフトボール連盟(トップページ)
http://gurasofu.web.fc2.com/

(2)サウンドテーブルテニス


この競技の起源は不明ですが、1933年の帝国盲教育研究所で今日の競技と同じようなルールの「盲人ピンポン」が公表されています。
「全国障害者スポーツ大会」では、1965年の第一回大会以降「盲人卓球」という名称で正式種目となっていましたが、2002年にサウンドテーブルテニスと改名されて、現在も続けられています。

ボールは卓球の球の中に金属粒が入った物を使用し、そのボールがテーブル上を転がることで出る音を頼りに、ラバーの付いていないラケットを使い、ネットの下をくぐらせて、ボールを打ち合います。

卓球台の両プレーヤー側には、コの字型にエンドフレームとサイドフレーム(高さ各1.5cm)が取り付けられていて、ボールがフレームに跳ね返ると打った側の得点になり、枠を飛び越したり、枠の前で下に落ちると、守り側の得点になります。

「全国障害者スポーツ大会」の他、日本視覚障害者卓球連盟主催の「全国視覚障害者卓球大会」や、各ブロック大会なども行われ、年齢を問わない幅広いスポーツとなっています。

サウンドテーブルテニス - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=UVo4ze0rS98

日本視覚障害者卓球連盟公式ホームページトップ
http://jatvi.web.fc2.com/index.html

(3)フロアバレーボール


 フロアバレーボールの起源は明らかではありませんが、1959年横浜市立盲学校体育教諭田中四郎氏が、関東地区盲教育研究会で「盲人バレー」について発表した記録が残っています。

 1960年代には、各地の盲学校で「盲人バレーボール」と呼ばれて盛んに行われるようになり、その後ルール改正を経て、1995年には名称も今までの「盲人バレーボール」から「フロアバレーボール」と改名し、障害の有無に関わらず誰でもできるニュースポーツとして全国に広まってきました。

ルールは6人制バレーボール競技規則を参考にしており、コートも成人6人制バレーボールで使用するコートと同じ規格ですが、ネットは床上に30cmの隙間ができるように張ります。
ボールは普通のバレーボールを使い、ネットと床の間を通過させて、相手側コートに球を打ち返します。
6人制で、前衛競技者は全盲・弱視・晴眼を問わずアイマスクの着用が義務となります。後衛競技者は弱視者か晴眼者となります。
前衛競技者は、相手コートからのボールをブロックしたり、ボールを静止させてもよいこととなっていて、静止後にパスやアタックを行ないます。
後衛競技者は転がってくるボールを、止めることなく組み手か片手でレシーブやアタックを行ないます。

2012AST 久留米大学 フロアバレー大会1 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=WVyXHtGmKS4

日本フロアバレーボール連盟(JFVA)
http://www.jfva.org/

(4)ブラインドテニス


日本発祥のスポーツで、考案者は武井実良さん。当初は「視覚ハンディキャップテニス」と呼んでおり、1990年に第1回視覚ハンディキャップテニス大会が開かれました。

ルールは普通のテニスとほとんど同じで、誰にでも楽しめるスポーツです。
バドミントンコートの区画で、サウンドテーブルテニスボールが入った、音の出るスポンジボールを用い、ショートテニス用のラケットを使って、高さ約80cmのネット上を打ち合います。

視覚障害者が行う他の多くの球技とは異なり、地面や床を転がすのではなく、空中を飛んでくるボールの、バウンド音を頼りに打点を探り当て、弱視者は2バウンド、全盲者は3バウンドで打ち合います。

僕かずくんが、ブラインドテニスをしています。 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=N9T_WyyMjEo

日本ブラインドテニス連盟
http://homepage2.nifty.com/JTAV/

(5)ブラインドサッカー


1980年代初頭に開発され、ヨーロッパ、南米を中心に広くプレーされていました。日本では盲学校で独自のルールを考案し、プレーしてきた時代もありましたが、2001年に国際ルールが日本に上陸し、その後、急速に全国に普及し、2003年第1回日本視覚障がい者サッカー選手権が実施されました。
以後毎年開催され、2013年現在では、第12回を数え、参加チーム数も11チームと年々増えています。

ルールは一般的なフットサルに基づきますが、独特な決まり事がいくつかあります。
フットサルとコートの大きさはほぼ同じですが、サイドライン上には高さ1〜1.2mの壁があります。試合時間は25分ハーフで50分が試合時間です。

4人のフィールドプレーヤーとゴールキーパー、さらにコーチ、コーラーを加た7名がピッチに立つことができます。フィールドプレイヤーの4名は、アイマスクをして視覚を遮断してプレイを行います。
ボールには特殊な鈴が埋め込まれていて、シャカシャカと音が鳴ります。
プレイヤーは、ボールの位置と同じく、自分以外のプレイヤーがどこにいるのかを知ることができませんので、ボールを取りにいくプレイヤーは「ボイ」(スペイン語で「行くぞ!」の意味)」という掛け声を出さなくてはいけません。
相手ゴールの後ろには、コーラーと呼ばれるガイド役がいて、味方のプレイヤーに現在位置やゴールの場所を知らせます。
blind-soccer 視覚障害者サッカー 大阪ダイバンズ - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XI-UngwJYws

Voy!Blind Soccer 日本ブラインドサッカー協会
http://www.b-soccer.jp/

(6)ゴールボール


第2次世界大戦の傷痍軍人の、リハビリテーションプログラムの一つとして考案され、1946年にオーストリア人とドイツ人によって、競技として紹介されたのが始まりとされています。
その後1976年のカナダのトロントで行われたパラリンピック大会で、正式種目となり、1978年のオーストリアでワールドチャンピオンシップが開かれ世界的に広まっていったとされています。

日本では、1992年、競技規則の翻訳が行われ、全国的な競技の紹介と競技者の育成がされ、1994年「日本ゴールボール協会」が発足しました。
2004年には、アテネパラリンピック大会に、女子チームが初出場し、銅メダルを獲得、2012年のロンドンパラリンピック大会で、日本の女子チームが金メダルを獲得しています。

コートは、縦18m×横9mのバレーボールと同じ広さのコートを用い、コートのエンドに幅9m、高さ1.3mのゴールポストがあります。
1チーム3名のアイマスクをしたプレーヤーが、コート内で鈴の入った音の出るボール(重さ1.25kg、円周76p)を転がすように投球し合って、味方のゴールを防御しながら、相手のゴールにボールを投げ込むものです。

シーズアスリート - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=o6fdjO9ZGgg

【JGBA】日本ゴールボール協会 オフィシャルサイト
http://www.jgba.jp/

その他

球技以外に、陸上・水泳・柔道・フライングディスク・ゴルフ・スキー・ボウリング・ヨットセーリング・自転車など数多くの種目があります。

日盲連スポーツコーナー
http://www.normanet.ne.jp/~nichimo/sports/

視覚障害者スポーツ・余暇活動などをご紹介します ≪ View-Net神奈川
http://view-net.org/archives/1268

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