5、視覚障害者に対する外出支援




視覚障害者が外出する際の方法としては、白杖を用いた単独歩行のほかに、ガイドヘルパーによる同行援護と、視覚障害者のための外出支援ボランティア盲導犬を伴っての歩行が挙げられます。

(1)同行援護事業

平成18年度から実施されてきた移動支援事業に代わって、平成23年10月より同行援護事業が新しくスタートしました。
障害者自立支援法の施行に伴い各市町村に委ねられてきた地域支援事業から、国が責任を持って行う自立支援給付事業へとその実施主体が変更になるとともに、これまでガイドヘルパーの仕事としては曖昧だった外出先での代筆・代読が、正式な業務内容として明記されました。
その対象者は、視力や視野の障害、夜盲など、国が定める一定以上の障害を持った、移動に困難を抱えている人です。身体障害者手帳の取得は必要ですが、手帳の等級とは関係なく受けることができます。
まずは市区町村の福祉課に申請し、認定、審査を経て、直接本人が事業所と契約を結ぶことになります。

参考URL
同行援護事業(日本盲人会連合)
http://www.normanet.ne.jp/~nichimo/doukouengo/

同行援護事業ハンドブック(日本盲人会連合)
http://www.normanet.ne.jp/~nichimo/doukouengo/data/1202doukouengo_riyou
sha.doc

(2)視覚障害者のための外出支援ボランティア


全国視覚障害者外出支援連絡会(JBOS(ジェイボス))は、全国各地のボランティアグループのネットワークによって視覚障害者の外出を支援しようとして生まれた団体です。
遠方への移動や、旅行先でのガイド、視覚障害者を対象としたイベントの際の誘導など、さまざまな場面で、きめ細やかなサポートを行っています。詳しくは以下のページを参照してください。

全国視覚障害者外出支援連絡会(JBOS)
http://jbos.jp/

(3)盲導犬について


平成24年3月末現在、我が国における盲導犬の実働数は1043頭、使用者数は、1064人(そのうち一頭の盲導犬を夫婦二人で使用しているタンデム方式は21組)です。
各都道府県別の盲導犬、聴導犬、介助犬と使用者数の詳細などについては以下のページをご覧ください。

全犬使会 盲導犬データページ
http://guidedog-jp.net/data.htm

また、平成25年11月1日現在、国内で盲導犬の育成・訓練を行っている団体につきましては、以下のページをご覧ください。

盲導犬訓練施設一覧 補助犬 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/hojyoken/html/b03.html

なお、静岡県内には富士宮市に日本盲導犬協会の富士ハーネスと、静岡市内に静岡県補助犬支援センターがあります。

参考URL日本盲導犬協会|盲導犬の里|富士ハーネス
http://www.fuji-harness.net/

NPO法人静岡県補助犬支援センター
http://hojoken.canariya.net/

平成14年10月から身体障害者補助犬法が施行され、ユーザーは飼い犬のマナーを教育する義務が課せられる一方で、不特定多数が出入りする公共施設、店舗、レストラン、ホテル、デパート、娯楽施設などは、盲導犬を理由として視覚障害者の利用を拒否することができなくなりました。
盲導犬の訓練には多額の費用が掛かります。このため、個人的に取得するには経済的負担が大きいため、多くの地方自治体では、希望者に盲導犬が貸与されています。
その取得方法や、盲導犬との共同訓練などについては、お住まいの市区町村の福祉課か、各地方の盲導犬協会までお問い合わせください。

引用文献『視覚障害者の介護技術(改訂新版)−介護福祉士のために−』
監修・直居鉄
発行・YNT企画 2002/11/22

                      ライター  菊池 一郎

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