7、中途視覚障害者のリハビリテーション




人生の半ばでさまざまな原因によって視覚障害を追うことは、本人は元より周囲の人たちにとっても、非常に深刻なことです。医師の治療の効果が期待できなくなり、失明の宣告を受けた人は、死を考えることも多いといわれています。
しかし、障害を自分のこととして受容し、自立への強い意欲を持たなければ、道は開かれません。ここで生まれた意欲は、リハビリテーションの前提になります。
障害の告知、その需要、そして自立への意欲を持つまでの期間は、障害の原因や経過などによって一様ではありませんが、本人に適した施設や方法についての的確な情報を得て、一日も早く適切な指導を受けられるようにすることが望まれます。

視覚障害者のリハビリテーションの内容は、生活訓練と職業訓練の二つに分けることができます。
このうち生活訓練では、
1、歩行訓練(白杖、盲導犬など)
2、コミュニケーション訓練(点字、パソコン操作など)
3、日常生活動作訓練(身の回りの整理・整頓、縫製・編み物、調理など)
のプログラムが実施されています。

参考URL
日盲社協会員施設一覧 自立支援部会(48施設)
http://www.ncawb.org/shisetsu.html

視覚障害リハビリテーション施設一覧
http://www.turtle.gr.jp/list/reha_fac.html

職業訓練としては、国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局視力障害センター(現在は函館、所沢、神戸、福岡の4施設(塩原視力障害センターは平成25年3月末をもって終了))において、盲学校の理療科(後述)と同じように、按摩・マッサージ・指圧師、鍼師、灸師の養成が行われています。
中途視覚障害者へのリハビリテーションを提供する施設は十分とはいえません。また、地域的にも偏りがあり、誰もがリハビリテーションを受けやすい環境にはなく、改善が求められます。とはいえ、地方自治体によっては、家庭を訪問して指導する制度を実施しています。
ここ静岡県内でも、20年以上前から、訪問自立支援事業を展開し、それを引き継ぐ形で、平成21年4月からは、静岡県点字図書館内に静岡県視覚障害支援センターが設置され、視覚障害を持つ職員自らが、訓練事業のコーディネート・各種相談業務などを行っています。

静岡県視覚障害支援センター
http://shizuten.jp/contents/shien.html

また、同じく静岡市内には、非営利活動法人静岡光の家があり、地域活動支援センターとして、視覚障害者に日中活動の場を提供しているとともに、電話での相談や、中途視覚障害者のための集いなどを定期的に開催しています。

☆シズピカ☆ 静岡光の家のホームページ
http://www2.tokai.or.jp/hikarino-ie/hp/


引用文献
『視覚障害者の介護技術(改訂新版)−介護福祉士のために−』
監修・直居鉄
発行・YNT企画 2002/11/22

                      ライター  菊池 一郎

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